円空は江戸時代、刃物の町「関」近郊の小さな村に生まれた僧侶です。彼は江戸後期、日本津々浦々を行脚の旅に自分の人生を費やしました。
彼の旅の目的は,当時の封建社会において水害や干ばつに悩まされていた民衆を勇気付けるものであったのです。円空は、訪れる先々で世の安寧と民々の幸福を願いながら、仏像を彫り遺して行きました。
日本の各地に残る歴史書によれば、円空は鉈一丁だけで木の丸太から仏像を削り出したと言われています。それには相当なる熟練を要するのですが、円空の深い信仰心と、幼いころ木彫り職人の父親から受け継いだ技術が仏の顔に慈悲深い微笑みを見事なまでに現しております。 |